DAWN FX

The dawn is breaking

ライン抜けのリテストについて①

f:id:sinonome46:20200208141053j:plain押し目買いをしましょう、戻り売りをしましょうという常套句を日々聞かされて暇(いとま)ない。そんな定型文だけ聞いてありがたがって分かった気になるのはつまらないことだ。

 

よく切り上げライン、切下げライン抜けの戻りを待ってからの押し目買いとか戻り売りとか書いているが、そのリテストが入るか入らないかを観察してみるとそれなりに見えてくるものがある。

 

下記の画像はユロドル4Hのダウントレンド。

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青切り上げラインと黒切り上げラインがあって、4Hで見ると抜け戻りがほとんど入っていないように見える。波のカウント的にはどちらもライン下抜けが4波目にあたるように見えるところで5波のリテストを待ちたくなる場面に見える。しかしリテストは入っていない。

 

下記は青切り上げラインの1H

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どうやら1Hではきちんと波のカウントが可能で、最高値が5波のWトップになっているのが見て取れる。またラインを下抜けしている時に、トレンドをつけながら抜けているのが分かる。

下記は黒切り上げラインの1H

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こちらも1Hで見ると5波延長型のうような波に見えるし、ライン抜けしている時もトレンドをつけながら抜けているのが分かる。

 

 

続いて下記はポンドル4Hの揉み合いとなっているところ。それぞれ切り上げラインに対するリテストがしっかり入っているし、同じような形になっている。

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紫切り上げラインの1H

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ユロドルと違って4Hでも1Hでもライン抜けの時にトレンドをつけてないのが分かる。その後切り上げラインに沿うようにリテストが入っている。波のカウントも「明確な転換シグナルが現れるまでトレンドは継続する」という原則に則り、たくさん波がカウントできる状態だった。

 

続いてオレンジ切り上げラインの1H

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こちらもライン抜けの時はトレンドをほとんどつけずに抜けているように見える。途中で軽い揉み合いはあるもののアクセントをつけている程度のものだ。波のカウントでは4Hでは4波目で抜けているように見え、5波でラインに対するリテストが入っている。

 

結論

①ライン抜け時にトレンドをつけている時はリテストがないか、または小さい

②ライン抜け時にトレンドをつけていない時はリテストがラインに入るか、または大きい

 

・波の捉え方について

ライン抜けのトレンドの有無を元に結論づけたが、考察では現在の波のカウントも扱った。ではなぜ結論に波のカウントを組み込まなかったかというと、カウントはひとそれぞれ違うものであるし、最重要ではないと考えるからだ。そして結論とはシンプルであるべきだという持論もある。

 

下記は先ほどのポンドルオレンジ切り上げラインの画像。

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ライン抜けが窓開けを伴っている。この窓埋めが短期的な上昇トレンドを形成して、結果的にリテストの値動きになったとも取れるだろうか。

下記のように「窓開けをなかった」ことにしたらどうだろうか。

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すると4波は切り上げライン内でサポートされ、5波Wトップの形を取っている。そしてそのライン抜け時はトレンドを伴っているのでリテストが小さくなっている、と解釈できると思う。

また先ほどのユロドル4H画像では切り上げライン抜けが4波目としたが、これをエリオット波動理論に基づいてカウントすると異なる見方ができる。推進波5波動、修正波3波動とすれば下記のようにもカウントできるだろうか。執行足のスケールの中に下位足のスケールの波が混在しており、どこからでもカウントできてしまうのが波の性質なのだ。

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今が何波目かという観測はできればそれにこしたとはない。精確なカウントほど力を発揮する。もしそのカウントに自信がなければライン抜け時の動きに注目すれば身構えることはできると思う。ちなみに自分はカウントに自信がない。

 

下記はユロ円1H。

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ピンク切り上げライン下抜け時はトレンドがついているのでリテストがない。黒切下げラインを上抜けた時はどうだろう。切下げラインの引き始めから見て、4波目で上抜けして、本来なら5波でラインまでリテストが欲しいところだと思う。

なぜラインにリテストが入っていないのかというと、逆三尊系の形を取りながら紫MAでサポートされているからだ。それだけではなく、グランビルの法則に則り買い場3番目のポジションとなっている。

逆三尊は底値圏で発生するもので中盤や終盤では現れないとされているがそんなことはなく、この時の逆三尊はピンク切上げライン底の底値圏であり、さらに下位足のスケールで現れたものであると判断するのが妥当だと考える。そこに現れたパターンが執行足のものであると決めつけなければならない道理など存在しない。

下位足のスケールとは現在の波の大きさを見た時に、そのスケール感が同等かどうかを元に判断する。その考え方については過去の考察記事でも述べているので割愛する。

 

このようにリテストが入るべきと考えられるところで思っていたより入らない場合、何かしらの理由がきちんと存在する。他の見えないラインにかかっている場合もあるし、チャートパターンをつくっていることもある。今の観察足ではなく別の次元を主戦場にしている場合もある。上位足の底値圏なのか天井圏なのかネックラインなのか、とても奥が深い。

結論ではとてもシンプルな考え方を示した。しかしながらその文章とは、冒頭で述べた「押し目買いをしましょう、戻り売りをしましょう」という常套句となんら変わらないレベルの意味しか持たない。その言葉だけ受け取ってありがたく分かった気になることがいかにつまらないことなのか、改めて自戒できればいいなと思っている。

 

【まとめ】

ライン抜けのトレンド有無とリテストの在り方は無数に存在する。その捉え方は多種多様であるが、その選択肢の中から自分の得意パターンのみを選択してトレードしていくことが継続的な勝ちに繋がると考える。